『パワーを引き出す開発』―2017年エイプリルグループ持続可能性報告書


持続可能性報告書の最新版が発行されました。報告書は、2017年度に実施された持続可能性コミットメントの長足の進歩について詳細に記しています。報告書のはしがきに、エイプリル社プラヴィーン・シンハヴィ社長 がメッセージを寄せています。

2017年度の特筆すべき点は、活動が隅々まで広がったことです。エイプリル社持続可能な森林管理方針(SFMP)の課題に現場レベルで取り組み実践するという、最も重要な活動が活気づいてきています。世界中の多くの民間企業と同様、エイプリル社も自社の方針、実践活動、目的を国連持続可能な開発目標(SDG)と合致させることに尽力しています。また、組織全体として目的の実現に向かって前進するには、目的が活動において明白に打ち出されていなければならないことも痛感しています。

声高な主張や成果を伴わないプラン表明よりも、着実で持続する前進がずっと重要であると私たちは考えています。エイプリルグループの方針、プロセス、そして実践は、主要ステークホルダーの多様な期待に確実と合致したものとなるよう形作られ調整されます。ステークホルダーがエイプリル社に求めることは明白です。すなわち、企業としての前進は、たゆまぬ努力、革新、実際的なノウハウを軸とすることで可能となりますが、同時に科学知識をベースとし、倫理と責任の枠組みのなかで進められなければなりません。言い換えると、エイプリル社は単独では全ての目標を達成できない、パートナーシップと協働、透明性そして前向きな取り組みがカギを握っているのです。

エイプリルやは、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)をコンサルタントに迎え、会社としてのアプローチを明確にしSDGとの整合性を高めるための正式なプロセスを開始しました。この過程で、サプライチェイン全体を通じて「森林破壊ゼロ」および「泥炭地は新規開発から除外」というエイプリルのコミットメントを堅持しています。KPMGに委託した第三者保証レポートはステークホルダー諮問委員会(SAC)に報告され、さらに一般公開されていることも重要です。これらは、エイプリル社が、あらゆる基本的約定を固持してサプライチェインの端々までベストプラクティスを根付かせるべく尽力していることの証となっています。

現在、エイプリル社では、泥炭地ロードマップを前進させています。これは、第三者泥炭専門家ワーキンググループ(IPEWG)と共同開発したものです。また、活動の一環として、自社プランテーション、保全林、混合用途コンセッションエリア内に最新のフラックスタワーを設置しています。フラックスタワーでは、温室効果ガス排出や二酸化炭素隔離率に関するデータを収集します。これらのデータは、排出量削減目標や地域的活動に関する情報となります。さらに、RER(リアウ生態系回復)プロジェクトを通じて景観規模の生態系回復も進めています。RERは、大規模な自然保護活動として、エイプリル社のコンセッションエリア全域を対象に展開されています。エイプリル社の「プランテーション1haにつき1haの自然保護エリアを確保する」というコミットメント推進の原動力の一つです。2017年度は、ファイア・フリー・ヴィレッジ・プログラム(FFVP)も長足の進歩を遂げました。また、エイプリル社がサポートするファイア・フリー・アライアンス(FFA)は、今では多数の企業が参加し、世界クラスの消防能力を有するまでに成長しています。

企業として成功し続けるには事業活動の持続可能性強化が不可欠です。エイプリル社では、ビジネスの焦点を量から質に移し、多角化と下流製品イノベーションを進めています。こうしたビジネス面のイニシアチブは、環境保護に関する約定の実現のみならず、エイプリル社での仕事を生計基盤としている何千もの人々にキャリアを提供し、コミュニティに対して教育、保健、社会インフラの分野でサポート提供するうえでも重要です。

最新の持続可能性報告書では、持続可能性はトップが率先して取り組むことの重要性が指摘されています。全くその通りです。2017年度は、トップから草の根レベルまでの全組織、さらに社外のパートナーやコミュニティが士気高く真摯に取り組んだことが印象的でした。この一年の間に諮問委員会やパートナーから寄せられた専門知識、重要なパースペクティブ、そして洞察は、非常に大きな成果をもたらしました。こうした社外組織を通じて、エイプリル社の事業活動に関するスタンスが世間一般に広まります。エイプリル社にとって頼もしい味方です。

多言を弄することはありませんが、エイプリル社はコミットメント堅持に誠心誠意つとめています。これは、正しい行動であり、エイプリル社に望まれる行動であり、ビジネスとして理にかなっています。2017年度は、焦点の一年となったといえましょう。真摯に仕事に打ち込み、企業にとって良いことは4C――つまり、国、コミュニティ、気候、消費者――にとっても同じく良いことであるというエイプリルの基本理念に沿った前進を遂げたことを嬉しく思います。

「パワーを引き出す開発」全文は、こちらから


前の記事
次の記事

アーカイブ