バイオ燃料――エイプリル社の再生可能エネルギーの牽引力


持続可能性コミットメントは、プランテーション管理、森林保全や生態系回復目標にとどまりません。工場の運転も視野に入っています。

エデュワルト・ギンティング工場長

エデュワルト・ギンティング工場長は次のように説明します:会社の長期目標は、工場の省エネと節水のたゆまぬ推進、そして再生可能燃料源の比率を高めることです。削減目標のベースとなる精確な温室効果ガス排出ベースラインの確立のための活動も同じく重要です。

そして、これらの目標達成のカギを握るのは、生産工程で発生するエネルギーをリサイクル利用する革新的方法を見出すことです。

スマトラ島リアウ州のエイプリル社工場は、節水・省エネの点で世界有数の効率を誇ります。工場の年間生産能力は、パルプ280万トン、製紙120万トンです。

世界有数の高効率は、運転と管理の両面でのインセンティブに加え、連続的改良方法「カイゼン」を通じて実現されました。「カイゼン」は、製造の無駄をなくし効率と生産性の向上の基盤となります。

エイプリル社では、ウッドチップ残滓やウッドチップからパルプを製造する工程の副産物である黒液など、固体廃棄物の大半をリユースしています。

「再生可能燃料は、当工場で使用する燃料全体の80%を占めています。生産工程で生じるバイオマス副生物や黒液を4基の工程ボイラー経由で回収しています。過去2年間、工程の最適化と革新的な効率化方法の確立によって電気消費量の削減に取り組んできました」と、ギンティング工場長は説明します。

エイプリル社では、年間400万トン超のバイオ燃料のほか、気化・蒸留工程で黒液から約16,000トンのメタノールを生産しています。2010年に導入されたこのプロセスによって有価値のメタノールが生成し、生じたメタノールは化石燃料に代わって工場のボイラー燃料として使用されています。

「黒液から気体成分を除去し、さらに蒸留して液体メタノールが得られます。液体メタノールはボイラー燃料として生まれ変わり、工場でリユースされるのです」とギンティングは補足します。

工場の廃水処理施設では、1日あたり約265,000㎥の水が浄化処理されています。処理済み水の約89%は近くのカンパール川に戻されます。「工場では以前から水消費量を減らすことに心を砕いてきました。単位製品あたりの水消費量は、過去4年間で約20%削減に成功しています。」

工場は525メガワットの生産能力がありますが、現在の必要キャパシティは約390メガワットです。余剰キャパシティの一部は、ケリンチ市の電力供給用に振り向けられ、地域一帯の約2万世帯の電力需要を賄っています。

「生産工程の最適化によって大幅な省エネが実現され、水・光熱費は削減されました。私たちは、工場の活動のあらゆる面で、環境保護を意識したアプローチを推進しています」と、ギンティング工場長は語ります。

そのほかにも、定期的な排出モニタリングや、国際的品質基準であるISOはじめ、環境保護、労働安全衛生に関する国際基準に照らした測定を実行しています。

自身が化学エンジニアでもあるギンティング工場長は、これまでに各種のクリーン・アプローチが導入され、持続可能性の高い運転方法やエネルギー源の実現に貢献していると説明しつつ、次のように言葉を続けます:しかし、私たちはけっして現状に満足していません。妥協することなく、常に高い目標を掲げて改良に取り組んでいます。

 


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