エイプリルグループ、ロンドン動物学会の持続可能性パイオニア企業評価で第2位に


SPOTTアセスメント)の結果を発表しました。世界の木材・パルプ・製紙企業24社を対象とし、環境・社会・ガバナンス(ESG)分野の指標による第三者評価です。

この評価で、エイプリル社は、スイスのInterholco A.G.に続き24社中第2位にランクされました。総合評価67.1%というスコアは、全社平均37.1%を大きく上回っています。特に、持続可能性ポリシーとリーダーシップおよび森林破壊と生物種多様性の分野は、きわめて高い評価を受けました。総合評価で66%超の「グリーン」判定を受けたのは24社のうち僅か3社です。

SPOTTアセスメントと付随の詳細企業レポートは、「世界的流通商品の持続可能な生産と取引のための環境および社会的最適方法実践の牽引力となる透明性とアカウンタビリティ」を推進することを狙いとしています。

SPOTTアセスメントの評価得点表

エイプリル社持続可能性および対外問題担当取締役ルシータ・ジャスミンは、SPOTTアセスメントの重要性を次のように説明します:「(SPOTTアセスメントは)透明性と報告のさらなる改善を可能とする第三者ベースラインです。明瞭な枠組みと判定基準に基づき、かつプロセスそのものが評価される側に透明な第三者評価は、ありがたく歓迎します。」

ZSLは、全世界の動物およびその生息環境の保全の推進と実現をミッションとする国際慈善組織で、学術・保護・教育活動を展開しています。

 

SPOTTアセスメントの全文は、こちらから  

Assessing transparency in the forestry sector

クリス・イーヴス――2017年11月9日、ロンドン(UK)

国際的保護慈善団体ZSL(ロンドン動物学会)は、本日、先駆的持続可能商品モニタリングプラットフォームSPOTT(持続可能性ポリシー透明性ツールキット)の対象を拡大したことを発表しました。パーム油セクターを対象とした3年間の活動により透明性の大幅推進に成功したことを踏まえ、木材・パルプ・製紙産業を新たな対象に組み入れました。

SPOTTアセスメントは、投資家への情報提供の目的から、大手パーム油生産企業における環境・社会コミットメントの策定と報告の実態を明らかにすることを狙いとして、2014年に発進しました。ZSLは今回、SPOTT対象商品の長期的範囲拡大計画の一環として、木材・パルプ・製紙企業を追加しました。SPOTTは先ごろ、「責任ある投資家賞」の最終候補に選ばれています。

ZSLの新しいSPOTTアセスメントは、木材・パルプ・製紙企業24社――全社とも、非常に生物多様性に富み大きな脅威に曝されている世界の熱帯ランドスケープにおいて大規模に事業展開――について、重要な環境&社会的持続可能性指標に照らして実態評価しています。

企業の事業展開は、野生動物の生息環境や生態系だけでなく人間生活にも大きな影響力を持っています。SPOTTは、最適方法を奨励することで、全世界の動物とその生息環境の保護というZSLの慈善ミッション実現に寄与します。

ZSLグローバル保護プログラム責任者マイク・ホフマンは次のように説明します:「すでにパーム油産業部門において、SPOTTの影響力が明白になっています。デューデリジェンス(相当な注意)およびリスクアセスメント活動を公表するためにSPOTTアセスメントを使用する投資家がますます増えています。また、評価された企業の多くで、この間に徐々にSPOTT評価得点が向上しています。」

「このパーム油産業における成功を、木材・パルプ・製紙産業部門でも再現することが私たちの望みです。私たちの狙いは、透明性風土の強化に一助となること、投資家がリスクをよりよく評価可能となり、林産品産業分野の主要企業と建設的な関わりを深められるようにすることです。」

今回のプラットフォーム拡大により、SPOTTアセスメントは、木材・パルプ・製紙セクターに関するこの種の詳細評価の第1号となりました。投資家は、各企業が環境・社会・ガバナンス(ESG)リスクの緩和に関する期待にどのように対応し対策を実践していくかを詳細に検討可能になります。

ZSLの評価では、木材・パルプ・製紙セクターにおける透明性レベルは企業による差が非常に大きいことが明らかになっています。SPOTT指標による評価で比較的好成績となった企業がある半面、得点の低い企業も認められました。評価対象の企業の3分の2は、保護エリア確保についてコミットメント表明しています。しかしながら、生物種多様性保護への景観レベルアプローチを実施している企業は3分の1以下です。このアプローチは、産業活動と切り離せない複雑な環境・社会的問題に対処するための最重要ツールの一つです。その他、先住民コミュニティの尊重という課題については、24社のうち16社がコミットメント表明しているものの、先住民コミュニティと十分に協議し同意を得ることを明確に約定しているのは僅か5社にすぎません。

ZSL林業部長のクリス・イーヴスは言います:「木材・パルプ・製紙セクターの第1回目のSPOTTアセスメントで評価した企業各社の反応は、非常に心強いものがあります。この産業部門では、透明性を高めることの利点がますます強く認識されるようになってきています。第1回アセスメントでは成績が予想を下回った企業も少なくありません。しかし、過去のパーム油セクターに関する経験から、将来のアセスメントでは相当に急速な進歩が期待されます。投資家の高まる期待を受けて、企業は、厳格な環境・社会・ガバナンス関連のコミットメントおよび情報開示の実践に向けて動いています。

「評価した企業の半数以上は、既に、政府やNGOまたは学術機関と共同で林産製品の持続可能性改善に向けて精力的に活動しています。このことからも、これらの課題が木材・パルプ・製紙セクターにおいてますます重視されるようになっていることが窺われます。」


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