リアウの起業家たちの新たなはじまり
エイプリル社のリアウにおける事業活動単位であるRAPP社によって開発されたコミュニティ・プログラムは、現地の起業家たちに人生を変える機会を創りだし、中小企業の成長を促しています。
違法伐採から賞獲得の起業家へ
47歳のトゥンクー・エフェンディ氏にとって、このキャリアチェンジはこの上ない一大転換であったはずです。かつて違法伐採者だった彼は、今ではリアウ州ルブク・ブンゴを拠点にして運送会社を営んでいます。
彼がこのプログラムに参加したのは2006年のことでした。3歳の子供の父親である彼は、違法伐採からまともな仕事へのキャリアチェンジが大変だったことを認めています。しかし努力を重ね、2014年には職場の健全性と安全性の方針を実施したとして彼の会社はRAPP賞を獲得しました。
「それまでやってきたことから運送会社の経営にギア・チェンジするのは楽ではありませんでした。でも起業家について多くのことをこのプログラムが教えてくれたのです。」とRAPP社に肥料を運送するイドラル・ブルサウダラ社の経営者トゥンクー氏は話します。
RAPP社のコミュニティ開発部長スンダリ・ブルリアン氏は、RAPP社は現在、建設請負業者、運送・労働力供給業者、給水車事業者および苗供給業者など、190のパートナーと協力して事業を行っていると述べています。
ごみ収集車運転手が運送責任者に転身
フスニ・タムリン氏は2001年にプログラムに参加し、彼の最初の会社であるタロ・プトゥラ・ペシシール社を設立しました。現在37歳になる彼と彼の妻ロハニは、1000億ルピア(750万米ドル)の資産価値を持つ重機・トラックレンタル事業の経営者です。
彼は次のように回想しています。「私には事業の経歴はありませんでした。私の最初のベンチャー事業は父のトラックを運転してごみを運ぶことでした。次第に事業に精通するようになって、事業拡大の機会があることが分かりました。私を含め、多くの地元の起業家を育ててくれたプログラムに感謝しています。」
2004年、フスニ氏は社名を自分の出生地であるリアウの村「ニロ」からとってニロ・エンジニアリング社に変更しました。
「ニロ社は、重機レンタル事業単位に対するRAPP社からの高い需要とともに成長してきました。」とフスニ氏は述べています。ニロ社の30の重機ユニットと25台のトラックはすべてRAPP社にレンタルされています。
雇用を創出することを誇らしく思うビジネスマン
スライマン氏はアカシアとユーカリの苗を育てるためにRAPP社所有の7つの苗畑にココ泥炭を供給しています。彼のリフキー・プラタマ・サンジャヤ社はリアウ州プララワンの主要な街であるパンカラン・ケリンチに拠点を置いています。
プログラムに参加してから事業開始後1カ月も経たないうちに、彼はココ泥炭の供給を30トンから600トンへも増やしました。
「RAPP社は、資本投資は行いませんでしたが、マンディリ銀行やインドネシア国民銀行に推薦をしてくれました。」と38歳になる彼は言います。彼はこの2銀行から10億ルピア(75,000米ドル)の融資をとりつけ、これを機械の購入や倉庫建設、運転資金に充てました。
人に生計を与えることを誇らしく思っている彼は、次のように語っています。「職員の一人は漁師である彼の父親の仕事の手伝いを時々して、辛うじて稼いだお金は月100万ルピア(75米ドル)でした。ここで働くともっと実入りがよく、最大で月400万ルピア(300米ドル)を稼ぐことができます。」
バティックで新しい未来を作る女性たち
リアウ州プララワン地方に住む32歳のハリ・フィトゥリ・ラムダニ氏は、ジャワ工芸職人とゆかりの深い天然色で染めた伝統的な織物、バティックによって生計を立てることができるとは夢にも思っていませんでした。
コミュニティ開発プログラムを通じて、RAPP社はアンダラン協同組合の設立に資金を提供し、製作会社ルマ・バティック・アンダラン(RBA社)の工房と、ハンドメイドのバティックの販売を行う店舗を建設しました。
この協同組合は養成対象となる女性たちを募り、今ではそのうちの10人がRBA社で働いています。全員が一からバティック作りを学びましたが、今では最大130のバティック生地を製作することができるようになり、毎月2,000万ルピア(1,500米ドル)の売上を出しています。彼女たちは、ソロ、ジョグジャカルタ、ペカロンガン出身のバティック工芸職人から訓練を受けました。
自分と車修理工の仕事を時々している夫は、この収入を一軒家を購入するのに充てました、とフィトゥリ氏は話します。「自宅へのお土産としてバティックを買う(RAPP社の)お客さんたち、現地の役人さん、近辺の会社職員の方、パンカラン・ケリンチの私たちのお店からバティックを買う地元の人たちなど、今ではいろんな買い手がいます。」